雪に親しみ雪を楽しむ豊かな暮らし

雪とのかかわり

雪と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。スキー? 雪だるま? 雪合戦? 大人はまず除雪ということが頭をよぎるようです。でも、雪が降りすぎても大変だけれど、まったく降らなくても困る、それが富山の冬ではないでしょうか。
石川県生まれの理学博士中谷宇吉郎は「雪は天から送られた手紙である」という印象的な言葉を残し、雪の研究で知られています。雪国の人々は雪とのかかわりの中から固有の雪の文化を育み、貴重な資源として暮らしに生かし、産業を生み出してきました。冬の初めの車のタイヤ交換や庭木の雪つりも雪国に住む人の生活習慣になっています。雪つりされた樹木の造形美は、雪国が育んだ生活の中の芸術と言えます。

雪かきを楽しく

雪まつりなどの雪をテーマにしたイベントも冬の風物詩になっていますが、雪かきも運動と思って楽しくできたらいいですね。先日のある大雪の後、小さな子どもがお兄ちゃんの押すスノーダンプに乗ってはしゃいでいる姿がありました。除雪道具の中でもユニークなこのスノーダンプにも年々改良が加えられています。県立大学工学部の教員と学生サークルが、アスファルトの路上でもスムーズに雪が運べる「可動式車輪付きスノーダンプ」を考案したそうです。1月29・30日には、ボランティアに雪かきの知識と技術を伝える「越中雪かき道場」が上市町で行われています。

雪を利用し楽しむ家づくり・街づくり

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家づくりや街づくりにも当然のことながら雪に対する方策が必要となります。特に富山の雪は水分をたっぷり含んでいるため、雪の重みで戸や窓の開け閉めができなくなったり、家がつぶれたりしてしまう危険性があります。雪国の家は、間取りや材料などにも気を配り、耐震ばかりでなく耐雪のための構造になっていますが、それに加えて最近では雪おろしをしなくてもいいように、雪がすべり落ちる「落雪式住宅」、雪を融かす「融雪式住宅」など、工夫を凝らした家が増えています。
街づくりにおいても、雪に対処するだけではなく、コミュニティー行事に雪を利用したり、雪を貯めて水槽や熱源として利用したりという「利雪」も取り入れられています。「越中雪かき道場」も、雪かきを通じて交流の輪を広げ地域の魅力を伝えることが目的の一つになっているそうです。
日本の伝統家屋には、雪見障子のように雪の降る美しい景観を楽しむ文化がありますが、雪に強いというだけではなく、利雪や雪に親しみ楽しむ「楽雪」という考え方が、雪国の暮らしをますます豊かにしてくれるのではないでしょうか。

 



■Vol.1〔地球にも人にも優しい家づくりを〕  ■Vol.2〔雪に親しみ雪を楽しむ豊かな暮らし〕
■Vol.3〔和の文化に親しみ、ゲーム感覚で節電に取り組む〕  ■Vol.4〔家族の命を守る家 長持ちする家づくりを〕
■Vol.5〔収納スペースをフル活用してすっきり暮らしやすい住まいを〕
■Vol.6〔間取りをイメージすることで理想の暮らし方を考える〕
■Vol.7〔省エネ型ライフスタイルを楽しく実践して快適に〕  ■Vol.8〔天候を考えた備えと工夫で快適で安全な暮らしを〕
■Vol.9〔自分にあった収納をみつけよう!〕  ■Vol.10〔住まいと家族の健康を守る湿気対策〕
■Vol.11〔子育てママ目線の家族空間づくり〕 ■Vol.12〔「住まいセンスアップのコツ」〕 ■Vol.13〔「住まいのお手入れについて」〕 ■Vol.14〔「梅雨の季節を快適に過ごす工夫」〕 ■Vol.15〔「北陸の夏を快適に過ごすには」〕